2021年7月10日土曜日

ブシナビ

6/27(日)、函館蔦屋書店でのヴァンガードの非公認大会に出たとき、店員さんから参加者に以下の連絡がありました。
「来週以降の公認大会はブシナビを使うので、準備しておいてください」
で、少しだけ使ってみたのでこのブシナビを取り上げたいと思います。
「取り上げてみたいと思います」とは言いますが、正直不満が重なっていますので、マイナス意見が多めとなっています。

まずはブシナビの公式ページを見てみます。
少しスクロールするとAppleのApp StoreとGoogle Playへのリンクがあります。
大会の最中も結果の報告で使うとのことですから、スマホ前提なのでしょう。
ずっと下まで行くと「ブシナビWEBサイトはこちら」というリンクもあるので、WEBアプリとしても使えるようです。

さっそくアプリをインストールして見たところ、ログインを求められます。
アカウントを持っていなかったので登録しようとしたところ、いきなり不満点にぶち当たりました。

不満1:アカウント作成時に求められる情報が多すぎる
TCGの大会に参加するためのアプリですので、アカウントを作るにしても、メールアドレスと名前くらいあれば事足りると思います。
ところが、ブシナビでは以下を入力するように求められます。
・メールアドレス
・氏名とフリガナ
・HNとフリガナ
・住所
・電話番号
・性別
・生年月日
HNで参加したい人もいるでしょうから、本名とHNがあるのはいいでしょう。
性別と生年月日も、商品のユーザー層についての調査と考えると、あったほうが都合がいいのでしょう。
住所と郵便番号、必要ですか?
もしかすると公式大会などでエントリー書類やらを届ける宛先として使うのかもしれませんが、FAQにもこれらが必要な理由が説明されていません。
利用規約にはブシロードの個人情報保護方針に従って個人情報を取り扱うとあるので、そこまで疑わなくてもいいのではないかとも思うのですが、未だに納得していません。

「なんでこんなに必要やねん」と思いつつもアカウントを作って、大会にエントリーできるようになりました。
画面の左下に「イベント検索」というメニューがありますので、ここから検索して登録できそうです。
先程(2021/07/10 16時頃)のスクリーンショットがこちらです。
いくつかつっこみたいですね。

不満2:なぜいきなり検索結果が出る
「イベント検索」というくらいですから、タップしたら検索条件を入力するのが当然では?
検索条件を入力するには、右上の虫眼鏡マークをタップしてから進まねばなりません。
もしかしたら、俺はすでに「タイトル:ヴァンガード」で検索したことがあるからこのようになっているのかもしれませんが、それでもこの動作は納得できません。
「1回検索したら、次も同じ条件で検索するだろう」という考えで作ったのかもしれませんが、この考えは正しいのでしょうか?
「前はヴァンガードの大会を検索したけど、今回はヴァイスシュヴァルツの大会を検索したい」とか、検索条件を変更するのはそんなにレアな操作ですか?
たかが1タップでも手間は手間です。多くの大会に出るヘビーユーザーに不便な仕様というのは、営利企業のアプリとしてどうなのかね、と思います。

不満3:絞り込みが甘い
大会の情報はどこかのDBに格納されていて、検索条件に合致するものを表示していることと思います。
先程のスクショには7/10の10:00開始、つまり閲覧時点でもう開始されている(そしておそらくもう終了している)大会まで表示されています。
その他の大会日程を見ると毎週土曜日10:00から大会を行っているようですので、7/3の大会は検索条件に合致しないとして表示していないのでしょう。
以上から、表示条件のうち日程は年月日までしかチェックしていないと推測します。
開始時刻までチェックして、開始時刻を過ぎたイベントは表示しないほうがいいのではないでしょうか?
イベントを検索するということは、エントリーしようと考えて検索しているパターンが多いでしょう。
エントリーした人が結果報告のために大会のページを開くというのはありますが、その場合は「マイイベント」から開けるので、検索結果に表示されなくても問題ないはずです。
エントリーするために検索したのにエントリーできないイベントが表示されるのはノイズであり、利便性を下げているのではないかと思います。

目的の大会にたどり着いたのでエントリーを済ませます。
「マイイベント」からエントリーした大会を開いてみます。
無事にエントリーできているのはいいですが、利用ガイドにないものが表示されています。

不満4:アンケート入力って何
FAQを見ても「アンケート入力が押せません」というのはあるものの、アンケートが何なのかは記載されていません。
アンケートに答えないと参加できないのかと思ったら、7/4の大会ではアンケートなしで参加できました。
スマホの画面も大型化しているとはいえ、パソコンのディスプレイと比べれば圧倒的に小さいです。
その貴重なスペースを意味不明な項目で占めるのは不便です。意味のないものであれば撤去するべきではないでしょうか。

エントリーを確認できたのでアプリを終了しましょう。
では戻るボタンを押して・・・

不満5:戻るボタンの挙動がWEBページそのまま
戻るボタンを押すと、これまでアクセスしてきたページの履歴を遡っていきます。まるでブラウザの戻るボタンを押したかのようです。
そういえば、ブラウザで公式ページを開くと、「ブシナビWEBサイトはこちら」というリンクもありましたね。ちょっと見比べてみましょう。
1枚目がアプリ版、2枚目がWEB版のものです。アプリ版はログイン状態、WEB版は非ログイン状態という違いはありますが、さほど変わらないように見えます。
つまり、アプリ版も結局WEB版にアクセスしているのではないかと思います。
AndroidにはWebViewというクラスが用意されていて、これを使うとアプリ内でWEBページを表示できます。
メニューの表示の仕方が違うので、WEB版をそのまま表示しているわけではなさそうですが、HTMLを解析して必要なところを書き換えているとか、サーバー側でユーザーエージェントを見て返すHTMLを切り替えているとか、そういう細工を入れているのかもしれません。
使う側からすると内部の実装は大した問題ではないのですが、じゃあネイティブアプリ版は必要なの?と疑問が浮かんできます。

なんとかメインらしい画面に帰ってきました。
では戻るボタンを押して終了しましょう。もしかしたら終了確認のダイアログが出るかもしれないですね。

不満6:戻るボタンでアプリを終了できない
何も起きません。
最初に触ったときには思わず「は???」と声が出ました。
アプリのメイン画面で戻るボタンを押してアプリを終了する。Androidユーザーには当たり前の操作ではないでしょうか?
それができないとはどういうこと?
そもそも、普通にアプリを作ったらメイン画面で戻るボタンを押したら終了します。
俺が昔作ったAndroidアプリでも、特に設定を変えるとか処理を書くとかなしで、メイン画面で戻るボタンを押したらアプリが終了しました。
ということは、わざわざ戻るボタンのイベント処理を拾って握りつぶしているのでしょう。
一体何のために?
「誤ってアプリを終了しないように」ということなのかもしれませんが、それなら再起動すればいいだけですよね?
iOSにはOS単位での戻るボタンがないので大した問題にはならなさそうですが、Androidでは他アプリとの決定的な操作の違いになっています。
アプリを終了するというのは、アプリの使用に必ずついて回る最も基礎的な操作です。
そこは他のアプリを足並み合わせても良かった、というか合わせてほしかったところです。

では大会に出かけましょう。
結果の報告または承認のためにアプリの操作が必要なので、一応起動しておきます。

不満7:謎のスプラッシュ画面
今の俺がブシナビを立ち上げると以下の画面になります。
「START」を押すと不満5で貼ったスクショの画面に遷移します。
で、この「START」って何?
規約により、ブシナビのアカウントは1人で1つしか持つことができませんし、複数人で1つのアカウントを共有することもできません。
したがって、ログインアカウントを切り替えるという機能はこのサービスにおいて不要であると言えます。
だったらスプラッシュ画面を起動して、バックグラウンドでログインを済ませ、ログインとページ取得が完了したらメイン画面に遷移する、というのがスマートではないでしょうか?
今の実装ではアプリを起動するたびに意味なくボタンを1回押させられていることになります。
ユーザーはモンキーテストのための人員ではないのです。
不満2でも書きましたが、たかが1タップでもユーザーの負担を減らそうという設計思想はないのでしょうか?

ここまでずらずらと不満をぶちまけてきましたが、これを改善するためになにかできないか、と考えてみます。

改善案1:WEBアプリに一本化する
俺の不満は多いですが、特に強いのは戻るボタンなどの操作感です。
ネイティブアプリの感覚で触ってWEBアプリのように動くから違和感があるのです。
じゃあWEBアプリに一本化すればいいんじゃないか、ということです。
これならAndroid版/iOS版を作る必要がなくなりますから、WEB版の改善に集中することができます。
また、公式ページからのリンクもGoogle Play/App Storeが不要になり、スペースを少しだけ節約できます。

改善案2:もっとネイティブアプリに寄せる
ある意味案1と真逆です。
まず、必要な画面は決まっているのでテンプレートは用意できるはずです。
テンプレートに入れる情報は(たぶん)今と同じくWEB版にアクセスして、HTML解析でもすればよいでしょう。
検索やエントリーなどで情報を送信する必要が出てきますが、これもWEB版と同じ内容を同じ宛先に送ればいいはずです。
HTML解析も、HTTPリクエスト/レスポンスの生成も、探せばライブラリが転がっていることでしょうから、それを使えば実装の手間も少し減るでしょう。
iOS版も同じようにネイティブアプリに寄せると考えると、それでもリソースはかかってしまいます。
それでも今よりはマシになる、と思います。

ちなみに、現時点(2021/07/10 17:53)でのGoogle Play/App Storeの評価を見てみると・・・
1枚目がGoogle Play、2枚目がApp Storeです。
どっちも平均2点台、そして☆1が最多です。
Google Playでは「大会でこれを強制されるくらいならブシロードのゲーム全部引退する」というレビューもあります。
本気なのかはさておき、ここまでボロクソ言われているということは、使いにくいと感じているユーザーが多いことの表れではないかと思います。

ブシロードによると、本格的な利用開始は2021年8月を予定しているとのことです。
ブシナビのアプリリリースが3月ですので、テスト期間として5ヶ月用意している、ということですね。
しかし、緊急事態宣言などで大会開催を見送った店舗も多いことでしょう。
それで本当に必要なテストは実施できたのか?と疑いたくなります。

現在のアプリバージョンはGoogle Playで1.2.0、App Storeで1.2.1となっています。
メジャーバージョンが上がっていないということは、ブシロードとしてはこのアプリに重大な欠点はないと考えているとみなしてよいのでしょう。更新履歴も「軽微な不具合の修正」だけですからね。

俺個人としては、ビジネスの視点を度外視して言えば、改善案で出したように抜本的な見直しをしたほうがいいと思います。
もちろんすべての決定権はブシロードにあるわけですが、「こんなはずじゃなかった」と後で泣き言言うのだけは避けていただきたいです。

今日の1曲:

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