2021年8月14日土曜日

コヤンスカヤの名前について考察

これまでブログでは取り上げてきませんでしたが、俺はFGOプレイヤーです。
始めたのが2018年4月で、2部2章の配信前後だったと記憶しています。

直接のきっかけは2部1章のCMでしたが、もう1つ大きなモチベーションとなっていたのがこちら。


こちらの動画のアップロードから3年4ヶ月、ついに先日「光のコヤンスカヤ」として実装されました。


ゲーム内での活かし方については攻略サイトとかYouTubeとかで多くの方が取り上げているので、ここでは扱いません。
代わりに「コヤンスカヤという名前」について取り上げてみたいと思います。
俺が行き着いた仮説が2つありまして、その2つを書いていきます。

仮説1:ロシア風の名前
ロシアの人物で○○スカヤという姓を目にすることがあります。
例えばジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤなどですね。
○○スカヤは女性形で、男性形だと○○スキーになります。
ドストエフスキーとかチャイコフスキーがこれに該当しますね。
コヤンスカヤ自身も「TV(タマモヴィッチ)・コヤンスカヤ」とロシアっぽい響きのフルネーム(?)を名乗ったりもしたので、可能性は高そうです。

この場合、上述の姓がありますので、「コヤンスカヤ」は「コヤン」と「スカヤ」に分けて考えるべきでしょう。

まずは「スカヤ」から。
キリル文字で「ская」と綴り、ラテン文字に転写すると「skaya」になるとのこと。
調べてみると、ロシア語で形容詞を作るときの接尾辞であるということがわかります。
例えば「Россия」(ロシア)に「ский」(скаяの男性形)がくっついて「русский 」(ロシアの)になります。
ということは「コヤンスカヤ」は「コヤンの」という意味になります。

「スカヤ」の意味がわかったところで「コヤン」の意味を考えてみます。
海外のファンサイトなどではコヤンスカヤは「Koyanskaya」と綴られます。
「koyan」をキリル文字に転写すると「коян」あるいは「кояан」になるでしょう。
これをGoogle翻訳に入れると、言語の自動検出でキルギス語になりました。
そのまま日本語に翻訳すると「ウサギ」という意味だそうです。
光のコヤンスカヤの召喚時口上に「未来からやってきた万能美人秘書型バニー!」というセリフがありますし、なんだかそれっぽい気がします。
しかしこれには2つの弱点があります。
1. 逆翻訳かけると綴りが変わる
引き続きGoogle翻訳に「ウサギ」と入力して日本語→キルギス語に翻訳すると「коён」になります。
俺が「koyan」を「коян」「кояан」と転写したのが間違いだったのかもしれず、その場合はあまり反証にはならないかもしれません。
2. ロシア語とキルギス語の関係
キルギスは旧ソ連の構成国ですが、ロシア語とキルギス語は言語の系統/分類が違います。
ロシア語:インド・ヨーロッパ語族 > スラブ語派 > 東スラブ語群 > ロシア語
キルギス語:テュルク語族 > キプチャク語派 > キルギス語
キルギスの領土に当たる地域にロシアが影響力を及ぼすようになるのは1865年のロシア帝国によるコーカンド・ハン国併合前後からで、それまでは匈奴や突厥、モンゴルなどが統治してきた地域のようです。
語族まで違うのであれば、ロシア語の接尾辞と組み合わせるのは無理があるのかもしれません。
ただ、ツポレフTu-144に「コンコルドスキー」、Tu-4に「ボーイングスキー」という蔑称に近いニックネームがつけられるなどの例があるため、あまり神経質にならなくてもいいのかもしれないですね。

「コヤン」もロシア語であるという前提で調べましたが、1つ大事なことを忘れていますね。
日本のインターネットミームで、キツネの鳴き声を「こゃーん」と表現します。
コヤンスカヤが「タマモヴィッチ」と名乗ったこと、その耳と尻尾を見ると、キツネにつながるこちらなんじゃないかという気もしてきます。

仮説2:映画/曲のタイトル
ドイツのエピックメタルバンド、Equilibriumの5thアルバム「Armaggedon」に「Koyaaniskatsi」という曲が収録されています。
日本語盤では「コヤニスカッツィ」という邦題になっています。
また、1982年に「Koyaanisqatsi」という映画が制作されています。
こちらの邦題は「コヤニスカッツィ」あるいは「コヤニスカッツィ/平衡を失った世界」です。

これの意味を調べる前に、Equilibriumは俺が好きなバンドなので、「Koyaaniskatsi」を貼っておきましょう。


さて、どちらも英語とは思えない字面ですね。
まずは先に世に出た映画の方から見てみます。
これはアメリカ先住民の部族の1つであるホピの言葉で「常軌を逸し混乱した生活」「平衡を失った世界」という意味だそうです。
次に曲のほうですが、アルバムのリリースに伴って行われたインタビューにおいて、ギター兼キーボードのルネ・ベルティオムが「アメリカの先住民であるホピの言葉で平衡の逆、平衡がないことを意味する」と答えています。
ちなみにバンド名のEquilibriumは均衡や平衡という意味なので、バンド名と真逆の曲を作ったことになりますね。
どちらもホピの言葉で「平衡を失った」という意味であると考えてよいでしょう。

ゲーム内でのコヤンスカヤの行状を見てみると、こちらの意味がしっくり来る気がします。
更に言うならば、第1部の人里焼却、第2部の地球白紙化と、FGOの舞台そのものが「常軌を逸し混乱した生活」「平衡を失った世界」と言えるのではないでしょうか。

以上が俺の行き着いた2つの仮説です。
まとめると
1. キルギス語で「ウサギ」を意味する「коён」+ロシア語の接尾辞「ская」
2. キツネの鳴き声の「こゃーん」+「ская」
3. ホピの言葉で「平衡を失った世界」を意味する「Koyaanisqatsi」「Koyaaniskatsi」
の3つが候補となります。
個人的には2.なんじゃないかなあと思いますが、口上にかけている1.や、世界観にもつながる3.でも面白いと思います。
もちろん上記の中に正解がない可能性は十分ある、というかその可能性のほうが高いのでしょうが、あれやこれやと調べて見るのはとても楽しかったです。


今日の1曲:

2021年8月4日水曜日

モンスター スーパーフュエル

2021年8月3日、モンスターエナジーに新しいシリーズが増えました。
飲んだ後に悪酔いするので常用はしていませんが、新しいのが出たら試したくなるというものです。
ということでさっそく試してみました。

まず公式サイトはこちらです。
シリーズ名が「モンスター スーパーフュエル」で、フレーバーの名前が「ブルーストリーク」と「レッドドッグ」の2種類です。
「スポーツドリンク系エナジードリンク」とありますが、正直どっちだよという気がしますね。

まずはブルーストリークのほうから。
大沼まで自転車で行ってきた帰り道に買ったので、自転車用のグローブを着用した手で持っています。
英語表記は「BLUE STREAK」ですね。streakにはいくつか意味がありますが、たぶん稲妻でしょう。
液色はフレーバー名の通り青です。
これまで飲んできたエナジードリンクで青いものはなかったと思います。
黄色~オレンジが多くて、ビーストアイの緑が異彩を放っていましたが、それに負けないくらいのインパクトです。
味は通常のモンスターエナジーほどの刺激や薬臭さはなくて、少しケミカルっぽい甘みと塩味、という感じでした。
公式サイトに「スポーツ時のエナジーチャージに」とあるので、強すぎる刺激は避けたのでしょうか。

続いてレッドドッグです。
ジョギング用のグローブを着用してますが、無駄に色が合いました。
こちらの英語表記は「RED DAWG」ですね。dawgとはdogのアメリカ南部発音で、それがスラング化したものだそうです。
こちらの液色もフレーバー名の通り赤です。
赤いエナジードリンクはバーンという前例がありますね。
味はブルーストリークに近いですが、フルーツのような感じがほのかにします。
しかしそれよりインパクトがあったのが匂いで、刺激臭といってもいいくらい強く感じました。
ブルーストリークで強い刺激を避けたものと思い込んでいただけに、これにはやられました。

2種類比べるのはここまでにして、共通するポイントをいくつか見てみます。
まずはボトルのラベルに描かれたアイコンやキャッチフレーズです。
写真はレッドドッグのものですが、ブルーストリークも色違いで同じ内容が載っています。
「電解質」「水分補給」など、スポーツドリンクを意識したものがてっぺんに来ています。
一方でエナジードリンクらしさもあり、「カフェイン」「スポーツ時のエナジーチャージを」とありますね。
カフェインは27mg/100ml含まれていて、1本だと148mgになり、通常のモンスターエナジーとほぼ同じくらいになります。
世界反ドーピング機関(WADA)による分類では、カフェインは興奮剤として監視プログラムの対象になっています。
これは検査対象であるものの、検出されてもドーピングとして扱わない物質です。
スポーツ時の摂取を謳う商品がドーピング検査対象の物質を含んでいていいのかな、という気はしますが、あくまでも一般消費者向けということでしょう。
また、通常は「Unleash The Beast」であるキャッチフレーズが「HYDRATE THE BEAST」になっています。「獣を解き放て」が「獣を潤せ」になっていて、スポーツドリンクらしさを重視しているようです。

次にボトルの形についてです。
上の写真の通り寸胴です。
内容量が550mlあるため、500mlボトルと同じスペースに収めるにはこうなるのも当然でしょう。
そのおかげで、自転車のボトルホルダーにも入ります。
自転車に限らず、クルマとかのボトルホルダーにもたぶん同じように入るでしょう。
形では飲み口の大きさも気になりますね。通常のペットボトルよりもかなり大きいです。
こんな感じの大きい飲み口が記憶にあるような気がしていたんですが、1日くらい経ってようやく思い出しました。学生のころに時々飲んでいたゲータレードがこれくらい大きい飲み口でした。
Twitterでも「ハワイで飲んだゲータレードっぽい」という感想があり、もしかすると全体的なお手本がゲータレードなのかもしれません。

ここでキャッチフレーズの「スポーツドリンク系エナジードリンク」を振り返ってみます。
スポーツドリンクの要素を取り入れつつも、あくまでも主軸はエナジードリンクであると考えるべきでしょう。
なので、スポーツドリンクの代わりに飲むとたぶん痛い目にあいます。

参考資料:
WADAの禁止物質リスト
※左側の「OTHER FORMATS」から「Prohibited List - Monitoring Program」をクリックすると監視プログラムリストのPDFを見ることができます

今日の1曲: